座標測定機(CMM)は、対象物の形状を高精度かつ精密に測定できるため、様々な製造業で最も広く使用されている機械の一つです。CMMの重要な構成要素の一つは、測定対象物を置くためのベースです。CMMのベースに使用される一般的な素材の一つは花崗岩です。この記事では、CMMで使用される様々な種類の花崗岩ベースについて見ていきます。
花崗岩は、安定性と硬さ、そして非常に低い熱膨張係数(温度変化による寸法の変動が少ない)に優れており、CMMのベースとしてよく使用される素材です。花崗岩ベースの設計は、CMMの種類やメーカーによって異なります。ここでは、CMMで使用される様々な種類の花崗岩ベースをご紹介します。
1. ソリッド花崗岩ベース:これはCMMで使用される最も一般的なタイプの花崗岩ベースです。ソリッド花崗岩は必要な仕様に合わせて機械加工されており、機械全体に優れた剛性と安定性をもたらします。花崗岩ベースの厚さはCMMのサイズによって異なります。機械が大きいほど、ベースの厚さも厚くなります。
2. プレストレスト花崗岩ベース:一部のメーカーは、寸法安定性を高めるために花崗岩スラブにプレストレスを施しています。花崗岩に荷重をかけ、加熱することでスラブを引き裂き、その後元の寸法まで冷却します。このプロセスにより、花崗岩に圧縮応力が生じ、剛性、安定性、そして耐久性が向上します。
3. エアベアリング式グラナイトベース:一部のCMMでは、グラナイトベースを支えるためにエアベアリングが使用されています。ベアリングに空気を送り込むことでグラナイトが浮上し、摩擦がなくなるため、機械の摩耗が軽減されます。エアベアリングは、頻繁に移動する大型CMMで特に有効です。
4. ハニカムグラナイトベース:一部のCMMでは、剛性と安定性を損なうことなくベースの重量を軽減するために、ハニカムグラナイトベースが採用されています。ハニカム構造はアルミニウム製で、その上にグラナイトが接着されています。このタイプのベースは優れた振動減衰性を提供し、機械のウォームアップ時間を短縮します。
5. 花崗岩複合ベース:一部のCMMメーカーは、ベースに花崗岩複合材料を使用しています。花崗岩複合材料は、花崗岩の粉末と樹脂を混合して作られ、無垢の花崗岩よりも軽量で耐久性に優れた複合材料です。このタイプのベースは耐腐食性があり、無垢の花崗岩よりも熱安定性に優れています。
結論として、三次元測定機(CMM)における花崗岩ベースの設計は、機械の種類とメーカーによって異なります。設計によって長所と短所が異なり、用途によって適したものが異なります。しかし、花崗岩は高い剛性、安定性、そして低い熱膨張係数を備えているため、CMMベースの材料として最適な素材の一つです。
投稿日時: 2024年4月1日